2月21日 予算特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 予算書120ページのすみだトリフォニーホールの予算についてお伺いします。
 平成26年の墨田区公共施設マネジメント実行計画では、効率化のため、運営方法を見直すとあります。しかし、来年の予算では、指定管理者には約3億6,000万円を支払い、それ以外にも維持修繕に約4,100万円掛かります。昨年も消防設備の修繕費に約2億円掛かっています。
 先日、区民の方から、墨田区はお金がないから、自分たちのための予算が減らされそうだと相談がありました。箱物にたくさんの税金を使っては、区民のための予算は今後もどんどん減らされることになります。
 まず、運営方式の抜本的な見直しが必要だと思います。民間の会社に運営を委託する以外に抜本的な改革はできないと思いますが、ご見解を伺います。

◎文化芸術振興課長(南部友孝君) 
 すみだトリフォニーホールの運営方法の見直しについてです。運営費については、第2期の指定管理料が年間約4億3,700万円であったのに対して、第3期である平成28年4月から約3億6,000万円と大幅に削減されており、指定管理者である文化振興財団も、歳入を増やすとともに歳出を減らすさまざまな努力をしているものと認識しています。
 今後、第4期の指定管理の更新時には、さらなる維持管理費の削減に向け、事業者から提案を受ける予定です。
 また、本会議で区長が答弁したとおり、大規模修繕の実施に当たっては、庁内の方針に基づき、民間活力の活用検討を行います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 先日の定例会でも言いましたが、東京にはオーケストラが多過ぎます。しかし、特にアジアのクラシック音楽のファンの方には、東京は大変魅力的な場所になります。東京では、夜のイベントは少ないですが、コンサートはたくさん開かれていて、また、チケットも比較的安いと思います。アジアからの観光客を掘り起こしていけば、かなりの可能性はあると思います。例えばニューヨークに行く日本人観光客は、特にクラシック音楽のファンでなくても、リンカーンセンターでの演奏会に行く人は多いです。自分の国ではコンサートに行かないが、日本に行ったらクラシック音楽を聞きに行くという旅のスタイルを作り出すことができると思います。そのためには、英語だけでなく、中国語や韓国語のホームページでコンサートのチケットが簡単に購入できるようにする必要もあります。また、観光客のためのチラシや割引料金などを作る必要もあると思います。是非検討していただきたいと思いますが、ご見解を伺います。

◎文化芸術振興課長(南部友孝君) 
 外国人観光客のための、すみだトリフォニーホールの公演情報の発信や割引料金などについてのご提案についてです。
 現在、ニューイヤーコンサートなど複数の公演について、スカイツリーとの割引チケットを発売するなど、墨田区観光協会と連携させていただいております。また、外国人観光客がどのような公演を望んでいるかなどについては、観光協会とも情報交換し、外国人観光客にもすみだトリフォニーホールに来ていただけるように、今後も工夫していきたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、すみだトリフォニーホールの利用料金についてお伺いします。
 基本的な考え方は受益者負担ということで、経営状況を考えると、料金の大幅な値上げが必要だと思います。ただ、墨田区民の利用に関しては、大幅な割引料金にするべきです。ほかの区を見ると、施設料金の割引を受けるためには、利用団体のメンバーの半数以上が区民か在勤者であることが必要で、事前登録して、審査もあります。すみだトリフォニーホールの場合は、たくさんの区民の税金が使われていますので、メンバーの70%が区民か在勤者であるべきだと思います。ご見解を伺います。

◎文化芸術振興課長(南部友孝君) 
 すみだトリフォニーホールの利用料金の大幅な値上げと区民向けの大幅な割引をしてはどうかとのご提案です。
 ホールの利用料金については、受益者負担の原則に基づき、全庁的に検討し、改定しております。すみだトリフォニーホールについては、都内の同規模のホールの利用料金を比較考量した結果、現在の価格が適正であると認識しておりますので、現段階で値上げの考えはございません。
 また、区民向けの割引をしてはどうかとのご提案です。
 まず、大ホールは、プロのオーケストラなどの利用を想定した構造となっており、貸し館としての区民利用の需要は多くないことから、区民料金の設定をしておりません。一方、小ホールは、音楽教室の発表会や小規模のリサイタルの利用に適した構造になっていることから、月の前半を区民優先枠として抽選を行うなど、区民向けの優遇策をとり、区民・区民外料金の設定も行い、区民利用の促進を図っております。
 メンバーの70%が区民か在勤であることを要件として大幅割引すべきとのことですが、区民利用の要件を厳しくしてしまうと、かえって利用者にとって利用しづらくなるおそれもありますので、今の制度以上の減額は考えてございません。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、すみだトリフォニーホール条例で決められている開館時間についてお伺いします。
 条例によれば、午前9時から午後10時までが開館時間です。少しでも収入を増やすために開館時間を長くして、午前6時から午後12時までにすることも考える必要があると思います。
 例えば東京ドームは、夜中も貸し出して、野球の試合ができます。収入を上げるためには、民間会社はそのぐらい必死になってやっています。真夜中にジャズバンドが練習する需要もあると思います。
 少しでも収入を上げるために必死にやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。ご見解をお伺いします。

◎文化芸術振興課長(南部友孝君) 
 すみだトリフォニーホールの開館時間を延長してはどうかとのご提案です。
 すみだトリフォニーホールの利用者からのアンケートを見ても、今のところ、時間を延長してほしいという具体的な要望はいただいていないところです。夜間延長を行うことによる光熱水費や人件費等の増加も見込まれることから、延長することによる利用料金の増とコストの増を比較考量し、慎重な判断が求められると考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、予算書119ページの国際交流等推進費に関してお伺いします。
 多文化共生事業費は約153万円と本当にわずかです。墨田区では外国人が増加しているわけですから、今後、事業をもっと活性化する必要があります。よいアイデアがないのかよく分かりませんが、もう少し知恵を絞って、外国人と日本人の共生社会を作るための努力をしていただきたいと思います。
 総務省は2017年3月に、多文化共生事例集2017を出しています。これはインターネットですぐ見ることができます。幼児日本語教室、未就学児童のサポート、図書館に外国の新聞や本を集めて外国人に来てもらう試み、病院での通訳ボランティアの派遣、住宅のサポート、外国人労働者のサポートなどもあり、大変参考になります。
 今後は、墨田区でも外国人労働者が増えますから、中小企業団体と協力してレクリエーション活動をやるとか、墨田区でも日本語教室は活発ですから、幼児クラスを開く、留学生などの住宅支援を宅建協会と協力してやるなど、いろいろできると思います。是非よいアイデアを出して実行していただきたいと思いますが、ご見解を伺います。

◎文化芸術振興課長(南部友孝君) 
 多文化共生事業の予算額についてのご質問です。
 墨田区の外国人住民が1万2,000人を超え、人口の4.7%を占めるようになっている現在、多文化共生に対する取組は喫緊の課題になっていると考えております。
 来年度は、昨年度の予算額66万9,000円に対して倍額以上の153万7,000円を計上しております。来年度予算の中では、在住外国人に日本語を学んでいただくための支援を行う日本語ボランティアの育成支援や、外国人にも分かりやすい日本語である「やさしい日本語」の普及を行っていく予定です。

◆委員(井上ノエミ君) 
 学校の子どもたちに、日本人の子どもたちは日本語を教えるプランはありますか。

◎文化芸術振興課長(南部友孝君) 
 日本語ボランティア教室の一つとして、錦糸町ではFSCというものがございまして、こちらでは、小学生、中学生に日本語を教えるという教室をやっております。学校のほうは、私のほうでは把握してございません。

◆委員(井上ノエミ君) 
 最後に、海外の都市との交流推進に関して伺います。
 先日、パリ市第7区のパネル展がありました。パリには文化振興課長や北斎美術館の学芸員も訪問しています。パリにはたくさん美術館がありますが、北斎美術館との協力関係に関しては何か成果があったのか伺います。

◎文化芸術振興課長(南部友孝君) 
 昨年9月にパリ市第7区においてパネル展がございまして、その成果についてでございます。
 現地でパリ市第7区の担当者と直接お話しさせていただきまして、今後、区長同士の親書の取り交わしを通じて文化交流を進展させていくことになりました。来年度は、区長と議長の公式訪問も予定されていることから、さらに関係が強まっていくことと期待しております。
 現段階では、パリ市第7区内の美術館と北斎美術館との協力関係について、具体的な提案はございませんが、フランスのコルマール市のウンターリンデン美術館と昨年、覚書を交わしたほか、ポーランドにある日本美術技術博物館、通称マンガ館との間の友好協力関係も進んでいるため、今後も北斎を通じた国際プロモーションに取り組んでいきたいと考えています。

○委員長(沖山仁君) 
 以上で新しいすみだの質疑を終了いたします。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
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                             午前11時58分休憩
                              午後1時10分再開